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HUISの縫製を長く担ってくださっている東北の縫製工場さん

HUISの縫製を長く担ってくださっている東北の縫製工場さん
昨年、HUISの洋服を長く縫製してくれている東北の縫製工場さんを訪ねてきました。
いずれも国内外のハイブランドの製品を手掛けている、縫製業界で高い技術を持った工場さんたちです。

東北地方は、雪が降り積もる冬場にも安定して稼働できる産業として、古くから縫製業が発達してきた地域です。
現在も、世界的に高い技術をもった縫製工場が集積しており、東日本大震災で被災された工場も多くありますが、そうした大変な経験も乗り越えて、今もなお国内外のアパレル業界を支えています。

HUISの縫製を手掛けていただいている工場は、特にシャツの縫製を得意としている工場です。
シャツの縫製は襟やカフスなど立体的で小さな縫い合わせも多く、細かな手作業とバランスが求められるため、数ある洋服の種類の中でも、縫製工場に高い技術が求められます。

販売に立っているとHUISの洋服をご覧になったお客様から「縫製がきれい」と言っていただくことが多いのですが、品質に厳しいアパレル業界の方がご覧になる際も縫製の細かい部分までチェックされながら「美しい、すごい技術だ」と唸ることも少なくありません。

縫製はとにかく細かく、繊細な手作業の積み重ねです。

中国をはじめとする海外では、さまざまな工程が機械で自動化され、以前ほど人手を必要としない工場がどんどん増えています。
一方、HUISの製品を縫製してくれている工場は昔ながらの機械を使っているためどうしても人の手による作業が多くなります。

こうした「手作業」にこだわる工場が仕上げるシャツは、どんなシャツになるのか?
どんなところが良いのか?
縫製で、違いがでるのでしょうか?

縫製に携わる方々がよく口にするのは、「仕上がりが柔らかく、ソフトになる」ということ。
ファストファッションの服を着た時に、なんとなく硬さを感じたことはありませんか?
生地の違いももちろんありますが、極限まで効率化を図った画一的な生産を行なっている工場と比べ、こうした縫製工場さんでは職人さん一人一人が生地の特徴や風合い、湿度や天候にも影響される糸の調子を感じながら、手先の感覚で縫っていくことで、着心地の良いシャツになるのです。

遠州織物という生地だけではなく、その生地の風合いや特徴を活かす縫製技術があってこそ、双方の技術が最大限に生かされ着心地がよく長持ちするシャツとして皆さまのお手元に届いているのです。

「縫製」と聞くとミシンで生地を縫い合わせるイメージがまずは浮かんでくるかと思いますが、縫製工場さんの中では、より着心地のよい洋服に仕上げるために実はさまざまな工程があります。

例えば、生地を切る作業。
何枚も重ねた生地を、パターン通りに専用の機械でカットしていきますが、少しの狂いも許されません。
躊躇することなく刃を走らせていく様子は、まさに熟練の職人の技。

また、途中工程での細かなアイロンがけの作業も肝。
縫上りがよりきれいに仕上がるようにアイロンをかけて形を整えながら縫製を進めていくという技術があります。
これを「中アイロン」といいます。
一見簡単そうに見えますが、こちらも熟練の経験が必要な細かい手作業のひとつ。

そして、縫い終わった後も専任の担当者が一点一点丁寧にプレスをかけていきます。
プレスと一言でいっても、一つのシャツにけっこうな時間をかけてくださいます。
襟、袖、裾とすみまでビシッと最終プレスをかけてくださっている様子を見ると、本当に大事に縫っていただき出荷いただいているんだなあとあらためて感じます。

生地と同じように、縫製においても、とにかくあらゆる工程で必要となる手作業。
一つの洋服には、途方もない工程と「人の手」が詰まっています。

原材料(綿花やリネン)生産から、紡績、織布、縫製、そして店舗へ…”織布”と一言でいっても、その中もさらに整経、経通し、織布、整理加工…と工程が分業化されています。
アパレル業界は原材料生産から最終製品、そして販売までの間の工程と関わる業者が本当に多く、また原材料から最終製品となるまでの時間と物理的な距離もかかりすぎてしまい、生産者と消費者の間がもっとも遠い産業の一つと言われています。
そのため、生産者一人一人の想いや姿を想像すことが難しいというのが残念ながら実情ではあるのですが、売り場に並んでいる洋服は、多くの方の手作業が無数に積み重なった賜物なのです。

機屋さんに限らず、素晴らしい技術を持った国内の縫製工場も年々減少しています。
東日本大震災に続くコロナ禍も追い打ちとなり、多くの工場が閉鎖してしまいました。
今残っている縫製工場も、後継者不足に悩み技術の継承が難しくなっています。

でも、日本の機械だから、日本の技術だからできる品質が、間違いなくあります。
縫製の工程には、実際、省いても消費者にはわからない、見た目には大きな違いのない工程もあります。
でも、手をかけることで、時間をかけることでよりよい着心地のものになる。
長く使える服になる。
誰にも顧みられなくても、産地で継承されてきた技術と誇りが職人さんたちの手を動かし続けています。

先日開催した枚方でのトークイベントの際、金子敦子さんが
「誇りが詰まった、着る人を思って作られた服を着ると元気になる」
と表現してくださいました。

HUISの洋服は、まさに、人の手の温もりと誇りが詰まっています。
生産者の誇りと温もりを、ぜひ実際に着て、感じていただけたらと思います。

こうした技術が残り、携わる方々がこれからも活躍していける時代になってほしい。
そして、”洋服”という最後のバトンを受け取っている私たちの使命として、これからも産地を支える皆さんのことをできるかぎり伝えていきたいと思っています。

今後、インスタグラムアカウントではそれぞれの職人さんたちの作業がより分かるような動画をご紹介していく予定です。
ぜひこちらもご覧ください。
https://www.instagram.com/1_huis

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高品質な“遠州織物”を使用したシンプルな衣服。
ふくふくとした豊かな生地の風合いを大切に。
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